家畜の排泄物などを原料に電気や熱、有機肥料を回収・有効利用できるリサイクルシステムです。
東北一の酪農郷として知られる葛巻町の特徴的資源である家畜排せつ物を、最大限活用することを目的に計画された施設が、協和エクシオの開発のもと完成しました。
「クリーンエネルギーの獲得」と「環境保全」がテーマです。
施設概要
処理原料 |
乳牛の糞尿 | 13t/日(200頭相当分) |
---|---|---|
1.一般家庭生ゴミ |
1t/日 | |
バイオガス発生量(想定値) | 300Nm3 /日 | |
メタン発酵槽 | 330m3 (有効) | |
ガスホルダー | 100m3 | |
消化液貯留槽 | 1335m3 | |
発酵温度 | 37℃(中温発酵) | |
エネルギー利用設備(コジュネ設備) | デュアルフュエルエンジン式 | |
脱硫方式 | メタン発酵槽内への微量空気注入による生物酸化脱硫方式 | |
浄化方式 | 膜分離活性汚泥法 |
バイオガスプラント
メタンガスを主とする混合気体であるバイオガスは、コジェネ設備を利用する事で電気と温水を同時に取り出すことができます。これら一連の流れをまとめてシステム化したものが「バイオガスプラント」です。これで、発電、温水、肥料、とプラント自身の使用するエネルギーも含めて、理想的な循環サイクルが完成します。
バイオガスとは
生ゴミや家畜糞尿などを微生物が、酸素のない状況下で発酵・分解するときに発生するガスのことです。成分の大半はメタンガス(60~65%)と炭酸ガス(35~40%)で、ごく微量の硫化水素や窒素を含んでいます。このガスは可燃性の良質ガスで、燃焼時には、ほぼ都市ガスと同じくらいのカロリー(5,500Kcal/Nm3)を出します。バイオガスは新たなエネルギーとして期待されています。
「バイオガスシステム」3大特長
- 寒冷地における安定処理が可能
- 消化液の散布先が少ない地域でも浄化設備を設置することで導入可能
- 固液分離機の導入によりメタン発酵槽以降の設備を簡素化
工程のご紹介
1.前処理工程
糞尿中の敷料や未消化物をセパレーターにより分離し、これら固形分は堆肥化施設へ、液分はメタン発酵工程へ送られます。生ごみは分別・粉砕によりペースト状にし、メタン発酵工程へ送られます。
2.メタン発酵工程
前処理後の原料は、37℃に保たれたメタン発酵槽内で30日程度滞留されます。発酵槽内ではミキサーによる均一化を行うと同時にスカム増加を抑制し、効率よくバイオガスを回収します。
3.ガス利用工程
前処理後の原料は、37℃に保たれたメタン発酵槽内で30日程度滞留されます。発酵槽内ではミキサーによる均一化を行うと同時にスカム増加を抑制し、効率よくバイオガスを回収します。
4.消化液浄化工程
発酵槽から排出された消化液は、浄化放流または液肥利用します。浄化するにあたっては、過剰な固形分を除去するため脱水機に投入します。
脱水ケーキは堆肥化施設へ投入し、また脱離液は膜分離活性汚泥法により浄化して、放流基準値をクリアした透明感のある処理水を河川放流します。