失い初めて気づくこと・・・

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いつまでも大切にしたい出来事。
そう思える瞬間に、全員が立ち会いました。
キャンプ5日目。
子ども達の多くがホームシックをかみしめています。
深くかみしめる時、思わず布団の中で声を上げ涙してしまう子。
深くかみしめる時、夕食、突然目頭が熱くなり天井を見上げている子。
深くかみしめる時、スタッフの手にそっとよりそう子。
深くかみしめる時、ただじっと胸の奥にしまい込み笑顔でごまかす子。
ホームシックとは、遠く離れた家族を恋しく思い、寂しさを感じる瞬間。
家族と離れ初めてあふれ出す愛しいという感情は、一緒にいて当たり前
という日常生活において、なかなか感じることはできません。2週間と
いう非日常的な長期キャンプはまさに、家族の大切さを再認識する大切
な機会でもあります。
人を大切に思っているからこそ、失った時の辛さは押さえきれるもので
はありません。
今日の夕食の後、スタッフの一人、おかが葛巻を旅立ちました。
本当は、最後までみんなと活動を共にしたかった、と悔しさをにじませ、
唇をかみしめながら子ども達に感謝と別れのメッセージを告げました。
帰り際、子ども達から思わぬサプライズが。
子ども達からおかへの感謝のメッセージカードが手渡されます。
必死で涙をこらえ、顔が歪むおか。
その堤防が決壊します。
参加者男子、最年長(中1)のライガ。
今年で3回目のライガは今や班のリーダー的存在。
自分の感情を極端に表に出すことはしないクールなリーダー。
写真に写ることを極端に嫌います。
そのライガが
おかに手紙を渡すその時、
彼の大きな肩が大きく上下し始めます。
後ろから見ていた私にもはっきりと分かるほどに。
その瞬間、おかがこらえていた感情が一気にあふれ出します。
ライガの思いが次々に伝播し、周りから嗚咽が聞こえ始めます。
私ももはや感情を抑えることは困難でした。
子ども達は薄着にもかかわらず、地吹雪の中、おかを乗せた車が見えなくな
るまで追いかけ感謝の気持ちを伝えました。
夕食の途中で飛びだしていった子ども達。
席に戻っても嗚咽が止まりません。
30分ほど経過したころでしょうか。
子ども達が落ち着いたのを見計らって今日の振り返りと明日の導入を行
いました。
子どもにこんな質問をしました。
『寂しかったね。でも、昨日はなぜ同じ気持がわき起こらなかったの?』
すると、パッタが答えます。
『一緒にいたから・・・』
世の中、
一緒にいると分からない何かが沢山あります。
見ているようで見えない何かが沢山あります。
伝えたくても伝えられない何かが沢山あります。
でも、今、目の前でその何かが失われようとしている時、
暗黙の内に抱いていた心の奥深くにある感情が、止めどなく湧起こります。
スノーワンダーランドはまさに、私たちが普段、心の奥底にしまいこんで
いる感情を、掘起こし再確認させてくれる大切な大切なやさしい時間です。
今日は、運動会があり、おかとの別れもあり、
一日に全ての感情、喜怒哀楽を経験しました。
こんな調子だと、最終日はどうなってしまうのでしょうか(笑)
失う前に気がつきたい何か。
でも、こんなさわやかな寂しさなら、気がつかない方がいいかなと、
ふっとそんな思いになりました。
明日からホームステイです。
前半、対立を繰り返してきた各チームが、一度解散します。
そんな時、改めて班の仲間、そしてカウンセラーの大切さに気がつく
ことでしょう。
本当の別れの日が来るまで、
みんな〜

おかの分までワンダーを思いっきり楽しむぞ!!!
最後に、
おか、ありがとう。
きむ

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